特定技能の制度改正と実務動向:特定技能2号「在留5年」追加方針、上限到達分野の対応、全19分野で求められる労務管理とは

2026年8月に入り、特定技能制度は従来の「枠の拡大」から、より長期的なキャリア形成と「制度運用の質的向上」を見据えた重要な局面へと展開しています。

出入国在留管理庁(入管庁)は、熟練技能者を対象とする「特定技能2号」の在留期間上限を拡大する方針を打ち出したほか、一部分野における受入上限到達に伴う募集停止など、受入企業にとって直ちに採用・雇用戦略の見直しが必要となる動きが相次いでいます。

1. 【2026年8月最新】特定技能2号に「在留期間5年」が追加へ

2026年8月、入管庁は「特定技能2号」の在留期間の上限に「5年」を加える省令改正案を公表しました。

  • 最長3年から「5年」への拡大 これまでの特定技能2号の在留期間は「3年・1年・6ヶ月」が上限でしたが、他の専門的・技術的分野(介護など)と同様に「5年」が選択肢に加わる見通しです。
  • 長期定着と永住申請へのスムーズな接続 在留期間「5年」が付与されることで、企業側は更新手続きの頻度や行政コストを削減できるだけでなく、高度な熟練技能を持つ外国人材が日本で永続的にキャリアを築き、将来的な永住許可申請を見据えた安定雇用が可能になります。        ご参照:https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00905.html

2. 【受入上限(充足率)の現状】外食業の新規停止と「国内獲得・2号育成」への移行

特定技能1号の在留外国人数は全体で40万人を突破し、産業分野ごとに設定された5年間の受入見込数(枠)の充足が進んでいます。

  • 外食業分野における海外招聘の停止継続 充足率が上限に達した外食業分野では、海外からの新規呼び寄せ(在留資格認定証明書)の原則不交付措置が取られています。
  • 実務上の対策:「国内転職者・留学生からの移行」と「特定技能2号試験」 新規招聘が難しい分野では、すでに日本国内に在留する留学生や他分野・同分野からの国内転職者の獲得ルート開拓が不可欠です。また、既存の特定技能1号スタッフに対し「特定技能2号評価試験」の受験支援を行うなど、自社内での長期育成・キャパシティ確保へシフトする企業が急増しています。

3. 【全19分野の管理実務】見落とせない労務管理・届出ルール

現在、新設3分野(リネンサプライ・物流倉庫・資源循環)を加えた全19分野において、以下の適正管理ルールが厳格に運用されています。

  • 定期届出の「年1回化」と日頃の記録義務 定期届出は「年1回」に集約されましたが、3ヶ月に1回の定期面談の実施や、帳簿・支援記録の保存義務(契約終了後1年間など)は免除されていません。
  • 「1か月ルール」に基づく随時届出の徹底 許可から1か月以上就労が開始されない場合や、雇用後に1か月以上活動を行えない状態(無断欠勤・長期休職等)が生じた場合は、14日以内の随時届出が義務付けられています。
  • 「特定在留カード」のマイナンバー(個人番号)マスキング マイナンバーカードと一体化した特定在留カードをスキャン・保管する際は、裏面の個人番号(マイナンバー)部分を黒塗り(マスキング)するなど、番号法に則った徹底した情報管理が求められます。

4. 【2027年新制度を見据えて】登録支援機関・受入企業に求められる質的強化

2027年4月には、従来の技能実習制度に代わる「育成就労制度」の施行が控えており、特定技能制度との一体的な運用基準の厳格化(支援担当者あたりの上限人数や質の担保など)が進められています。

単に手続をこなすだけでなく、法令遵守をベースとした明確な就労環境づくりや、登録日本語教員等による日本語教育の提供など、「外国人材から選ばれる受入体制」を構築している企業だけが、今後の人手不足時代を勝ち残ることができます。

最新の法改正・最新動向に即した「安全で持続可能な雇用戦略」を

2026年後半の特定技能制度は、2号の拡充による長期雇用の道が開かれた一方、受入枠の管理やコンプライアンスのチェックがこれまで以上に厳しくなっています。

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